アニタ
んん? なんだか知らないけど、そういうことはロージーに言ってくれるかい?
この支部の受付嬢はあの子なんだ。
え? 今回は私へのインタビュー? やれやれ、面倒だねぇ。
アニタ
いい質問だね。今から何十年も前のことだ。
その強さと美しさから、「鉄拳小町」と呼ばれたうら若き冒険者がいた。
その踏み込みは大地を揺るがし、放たれる突きは雲さえ引き裂き......
ん? なんだい? もう少し簡潔に、だって?
まったく、今時の若い者は辛抱ってモノを知らないねぇ。
冒険者協会に入ったのは、ジェラルドに誘われたからさ。
そう、ジェラルド・フィオーネ。水の国でエンジュール文明の遺跡を発見し、
遺跡を保護するために冒険者協会を作った初代総帥、偉大な「冒険者の父」だよ。
ジェラルドが協会を作る前は、冒険者なんてのは、ばくち打ちか無法者みたいに思われててね。
私もまあ、必ずしも品行方正だったとは言えないねぇ。
ま、誰にだって若い頃はあるし、若者ってのは思慮も分別も足りないもんだろう?
アニタ
当然だけど、管理官の仕事は、管理をすることさ。
この支部が冒険者でにぎわってた頃は、冒険者からの報告を分析して本部に報告したり、
次に調査する区域を決めたり、クエストの内容とか報酬とかを決めたり、
色々やってた記憶があるねぇ。もう昔の話だけどね......
それに、ここで働くスタッフの管理も大事な仕事だね。
ロージーもエメも働き者だから、倒れない程度に存分に働かせるのが私の役目なんだよ。
アニタ
特に好き嫌いはないよ。何でも食べるさ。さすがに大食いはできなくなったけどね。
食べ物以外かい? ロージーみたいにお花とお日様が好きとか、ああいうのは
私にはちょっと理解できないね。
男と女の間のことを聞いてるんなら、私はずっとベルナルド一筋だよ。
きっと、この森のどこかで待ってるはずさ......
アニタ
このいまいましい霧だね。
この霧さえなければ、ベルナルドだって行方知れずにはならなかったさ。
アニタ
私は冒険者協会でのんびりしてたいんだけどね。
だいたいロージーにピクニックに連れ出されるのさ。
まあ、おかげで退屈はしないけどね。
アニタ
「まず殴れ、すばやく殴れ、全力で殴れ」。
......しまった、「全力」だなんて、まるでガルフじゃないか。
まぁ、ヤツももっとすばやく殴れるようになれば、一人前なんだけどね。
アニタ
ベルナルドを探し出して、霧の森の謎が解けたら、そうだねぇ......
もうちょっと暖かいとこに移りたいね。南国の島とかさ。
アニタ
人生、無理は禁物だけど、最初から無理って決め付けて何もしないのはもったいないね。
冒険者なら、正しいと思う方に向かって、まず一歩踏み出してごらん。
結果は後からついてくるもんだ。
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